ブログで気分転換 2011年7月
有川浩の「阪急電車」文庫本の解説は児玉清
有川浩さんの阪急電車を読みました。
いやぁ、映画化される小説は裏切らないですね。夢中であっという間に読んでしまいました。この本を紹介してくれた優夢さんに感謝。ありがとうね。
実は、初めての小説家は苦手なのです。なんというか、作家が持つリズムに乗れなくて、誰が誰だかわからなくなったりして、いつも読み始めで苦労するので。
有川浩さんの小説を読んだのは初めてでした。最近まで彼女のことを男だと信じて疑わなかったほどの無知ぶりです。なので「阪急電車」もそうでした。最初は読みにくかったです。
でも、でも、20ページで私のハートはぎゅっと鷲づかみされてしまいました。
しかし、その胸きゅんは長くは続かず・・・。
だって、胸きゅん話は、21ページで終わってしまうの。
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「阪急電車」は短編小説なんだ、とちょっとがっかりしながら改めて目次を見ると、最後の章に同じ駅(宝塚駅)を発見。もしかしたら、国際的ネズミのバックを持つ彼女と彼の話の続きが読めるかも〜と254ページを開けると予想通り彼と彼女の名前も発見。二人がどうなったか気になる〜読みたい〜衝動に駆られながら、やはりそれは作家に失礼なので、次の駅(宝塚南口駅)に私も進みました。
次の駅(宝塚南口駅)を読み終わり、
最後の駅(宝塚駅)を読まなくて良かった、
と本気で本気でほっとしました。
「阪急電車」すごいです!
短編小説なんだけど、短編小説じゃないんです。駅と駅を繋いで走る電車が、「全くの赤の他人の人生」と「全く赤の他人の人生」を繋いで走るんです。そんな偶然が何度も重なるんだろうかと思わせないほど美しく繋がっていきます。
また、前半の片道はたった一日の話なのに、50年分の人生がぎゅっと詰まっていて、縦にも横にも前にも後ろにも想像が広がっていくそんな小説でした。
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私もその電車に乗っていたような気分で読み終わり、すっかり阪急電車の登場人物達に愛着を感じてしまい、読み終わった後も彼ら達のこれからの人生を考えていました。
白いドレス女とDV女は、きっといつか「あの時のあの人」だったことをお互いに知る日が来るんだろうな。自分が全く知らないところで、別れるきっかけを作ったしまったことを知るとき、白いドレス女は何を思うか知りたい。図書館のふたりがちゃんと結婚できるのかも気になるし、女子高生が看護師の仕事を好きになれるのかも気になる。
だけど、このくらいで終わるのがちょうど良いんだろうな。読み終わった後も想像が無限に広がるところもこの小説の魅力だと� ��うから。この辺りのバランスも実にうまく計算されているんだと思う。やっぱすごい。
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阪急電車は、昔よく乗っていました。思い出を語るとすごく長くなりそうだからやめるけど、今は全く乗る機会がなくなり、次はいつ乗れるかわからないので、なんだか悔しいです。あの頃、この本に出会っていたらもっと楽しく読めたのにとアホなことを考え、今すぐ小説の世界を阪急電車に乗って味わえる人のことを羨ましがっています。
でも、今、私がよく乗っている電車にも魅力がたくさん詰まっているかもしれないよね。まだ降りたことのない途中の駅に、小林駅のようないい駅があるかもしれない。乗れない阪急電車を羨ましがるより目の前にある電車や駅を観察するほうが楽しいかもと思うことにしました。< /p>
映画「阪急電車 片道15分の奇跡」も観たいですね。芦田愛菜ちゃんがさんまのまんまで映画の番宣をしていたのがとっても可愛かったし。彼女が何の役をするのかは知らないんだけど、犬のおばあちゃんの孫だよね?中谷美紀は白いドレスの女。まさか女子高生や女子大生の役ではないよね。ふふふ想像するとなんか楽しい。
文庫本の解説は児玉清さんでした。最後に「俳優」と署名してました。すごく大好きな俳優さんだったので切ない気持ちに。年を重ねるごとにダンディさが増していった児玉清さん。父親くらいの年齢だけど、全然恋愛対象でした。美しい日本語で書かれた解説文を読んでまたしても胸キュン。彼が残してくれた文章ももっと読んでみたいです。
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