第4話 「成 長 Part2」|事業繁栄のための経営セミナー・社長セミナー/日本経営合理化協会
記憶に新しい方もいらっしゃるかと思います。
「社員が感じる働きがい」あなたが働きがいを感じる要素は何ですか?
(複数回答)
第一位 「自分の成長」 46%
第二位 「達成感」 43%
第三位 「職場への貢献」 41%
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第七位 「賃金」 31%
多くの人たちが、お金ではなく、「成長」や「達成感」、「職場や社会への貢献」ということに、働きがいを感じていることが分かりま す。
一方、日経ネットPLUSというWebサイトではこのような結果もありました。
「会社を辞めたいと思った理由は何ですか?」(複数回答)
第一位 「達成感がない」 41.5%
第二位 「自分の成長を実感できない」 43%
第三位 「賃金が仕事に見合わない」 31%
ここでも、「成長」や「達成感」といった項目が上位に登場するのですが、止めたい理由となると、「お金」が上位にランクインしていま す。
本来はお金だけを目的にはしていないのに、辞めたいと感じた時に
「でも結局、給料も安いしな・・・」
と、考えるようです。
最もショックだったのが下記のデータです。
正社員の方にお聞きします。
「あなたがもし生まれ変わったら、新卒として、もう一度、現在の会社への入社を希望しますか?」
「希望する」 29.2%
「希望しない」 70.8%
「子供がいるとして、自分の会社を子供に勧めますか?」
「勧める」 20.3%
「勧めない」 79.7%
データ出典:「日経ネットPLUSより」
もちろん、今の会社や仕事が嫌だという理由だけではなく、子供にはもっと華やかで大きな夢を実現して欲しいというような「想い」も含まれている のでしょうが、今の自分の仕事や会社に「誇り」や「希望」を感じていないという人が、こんなにも多いという現実を突きつけられたのです。
70%の人たちが、同じ会社で働きたくないと感じ、80%の人が子供に同じ仕事をさせたくないと感じている・・・
悲しいことですが、これが現実でした。
人は、「成長」や「貢献」を求めて仕事に就く。
"すべてのIのwanna do"の
広く言えば、人生において求めているものは「成長」や「貢献」の意識なのです。
あなたの会社の社員たちは「成長」や「貢献」を実感していますか?
自分の仕事に会社に未来への「希望」と「誇り」を感じていますか?
僕はかつて、焼肉店「牛角」をはじめ様々な外食業態を生み出した、レインズインターナショナルという会社にいました。(以下レイン ズ)
そこで僕は、パートナーズフォーラムという、レインズの根幹とも呼べるイベントを創り続けてきました。
パートナーズフォーラムというイベントの本質は、パートナーと呼ばれるアルバイトの若者たちの「成長」です。
そのことを通じて、社員やお取引先さま、フランチャイズオーナーさまと共に「成長」し続けられる「文化(仕掛け)」として、パートナーズフォー ラムというイベントが位置づけられていました。
今日は、そのイベントについてお話ししたいと思います。
レインズの代表的業態「牛角」を例にとると、牛角(40~50坪程度、30~40席程度)のお店は、基本的には社員一人、後は全員アルバイトで 運営されています。
その上、牛角の特徴は「安くて美味しい」「雰囲気が良い」「サービスが良い」ということです。
お店で働くスタッフ達が、調理、料理提供、そして接客などをきちんとこなしていかなければ、お店の経営は成り立ちません。
そして、当たり前のことですが、ただ仕事を「作業」としてこなすだけでは、お客様の期待水準を上回ることが出来ません。
レインズの経営理念は「感動創造」です。
レインズでは「感動は、期待を大きく上回った時に生まれる」と、定義しています。
ですから、必然的にアルバイトの人たちのモチベーションやスキルを向上させることでしか、繁盛する店作りは成り立たないのです。
お店に社員は店長ただ一人。
店長はお店を経営面からも考えていかなくてはなりません。
原価や人件費のコントロールをはじめ、売上や利益の向上など、業務は多岐にわたります。
しかし、店長にも休みが必要です。大切な家族だっています。
店長が休んで、お店の経営が成り立たないわけにはいきません。
店長以外はアルバイト・・・。
必然的に、アルバイトの人たちも店長と同じように、お店の経営も考えられるような「人財」にならなければ、お店が成り立たないので す。
レインズでは、アルバイトのことをパートナーと呼びます。
愛のエアロスミスとはどのようなもので、歌詞にある
お店に関わるすべてのことを共有し、同じゴールを追いかける「仲間」として、そう呼んでいます。
つまり、レインズではパートナーが店長(社員)と同じ意識でお店というステージに立つことを前提として、お店の体制を創っているので す。
その、パートナーたちが目標を設定し、そこに向かうまでのプロセス、「想い」そしてその成果を共有する場として、パートナーズフォーラムという イベントが行なわれるようになったのです。
人は誰もがドラマを持っています。
様々な想いを持ち、様々な環境の中で、様々な壁にぶつかり、時には折れてしまったり、あるいはその壁を乗り越え、日々を懸命に生きていま す。
その一人一人のドラマ(想い)を共有すること。
映画を見た後で、自分が主人公になったような気持ちになり、外の風景が違って見えるように、人は誰かのドラマを、感情移入しながら追体験するこ とで、自分も又同じドラマを生きることが出来る。
パートナーズフォーラムというイベントの中では、パートナーたちが高い高い目標を掲げ、お店の仲間たちと共に、様々な壁を乗り越えながら、結果 として「成果」を創出し、選ばれた店舗のパートナーたちが、ステージの上で自分たちの成果と想いをプレゼンテーションする場なのです。
高校球児が甲子園を目指すように、レインズのパートナーはフォーラムという舞台を目指し、日々切磋琢磨し成長し続けています。
では、パートナーズフォーラムのようなイベントをやれば、会社は変わるのか?
というと、そんなことはあり得ません。
何度もお話ししたように、イベントはあくまでも「手段」であって、決して「目的」ではないのだということを忘れないで下さい。
パートナーズフォーラムの目的は「パートナーの成長」です。
パートナーたちが
「牛角に出逢ってよかった。牛角で働けて本当に良かった」と強く感じ、お客様の喜びを、自分の喜びと感じられること。
そして、高い高い目標を掲げ、たくさんの仲間やお客様に支えられながらその目標を達成することの喜びを、強く感じられること。
彼らが社会に出た時に、夢や希望を持てるような、そんな「成長体験」ができるこ と。
そして、入れ替え可能なただの「バイト」ではなく、自分自身をかけがえのない存在なんだと、強く感じられるこ と。
そんなゴールを叶えるための手段としての「イベント」なのです。
それはどのようにCDエディ·マーフィかもしれません
ですから、すべてのイベントがそうであるように、このパートナーズフォーラムも、「イベント本番」よりも「イベン トの前」と「後」の方が、もっともっと大切でした。
イベントの「前」というのは、
「このイベントを何故やるのか?」
「何のためにやるのか?」
「誰のためにやるのか?」
「このイベントをやることで得られる、ゴールイメージはどのような状態か?」
このことを鮮明に詳細に考え、それをレインズに関わる一人でも多くの人たちと共有する期間です。
イベントの「後」とは、
「イベントを行うことで、誰がどのように喜びを感じ、感動し、そして未来への一歩を踏み出したのか?そしてその一歩とはどのような行動だったの か?」
「壇上で発表した店舗の人たちの「想い」や「成果」そして、ゴールに至るまでのプロセスは、その詳細はどのようなものだったの か?」
そのようなことを、一人でも多くの人たちの共有するための期間です。
パートナーズフォーラムは年に2回開催されます。
毎年続きます。
ということは、イベントの「後」は、同時に「前」になり、「前」は同時に「後」になります。
つまり、目的とゴールイメージの共有ということが、イベントそれ自体よりもずっとずっと大切だということです。
僕は本当に強く強く感じるのです。
イベントをやること、それ自体よりも
「このイベントを何故やるのか?」
「何のためにやるのか?」
「誰のためにやるのか?」
「このイベントをやることで得られる、ゴールイメージはどのような状態か?」
を考えないと、イベントをやる「意味」は全くと言っていい程、ないのだと。
レインズでは、多くのパートナーたちが、パートナーズフォーラムのステージに立ちたいと、そう強く願い今も日々の営業に望んでいま す。
そして、パートナーズフォーラムのステージに立った多くのパートナーたちが、社会人になる時に、自ら描いた夢の一歩を踏み出すことに成功してい ます。
すべてのパートナーたちが「成長」を感じ、すべての社員たちやオーナーは、大切なパートナーたちの「成長」を使命と感じる。
そんな未来の姿を目指して、パートナーズフォーラムは企画されたのです。
当日の会場には
「この会社(お店)に入ってよかった」
「この仕事を選んでよかった」
「この会社に入って成長出来た」
という「想い」が溢れていました。
そして経営者は
「この会社を創って、本当に良かった」と強く感じている、そんな空気に溢れていました。
今、僕はレインズを辞し、一人でも多くの人たちが自分の仕事に誇りを感じ、自分の選んだ会社に希望を持てる、そんな社会に貢献することを使命と して、会社を立ち上げ日々を生きています。
どんな経営者でも、「従業員の成長」を願わない人はいません。
どんな経営者でも、「誇りの持てる仕事」「誇りの持てる会社」を目指さない人はいません。
しかし、その目的が、そのゴールイメージが、関わるすべての人に伝わっていますか?
売上目標や評価制度という、解り易すぎる「数字」で、すべてを判断しようとしていませんか?
数字は企業存続発展の鍵です。大切なのは当たりまえです。
しかし、人は数字だけでは、量れません。
数字ばかりを求めると、従業員も「給与」という名の「数字」ばかりしか、求められなくなります。
従業員が最も求めているものそれは「成長」
あなたの会社の、大切な大切な従業員たちは、「成長」を「誇り」を感じて生きていますか?
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